私は車通勤で毎日2時間の往復をしています。
そんな私ですが、車の運転は好きだけど眠くなる体質なんです。コーヒーやガム、休憩などさまざまな対策をしましたが、どれもスッキリしませんでした。
そこで飲み始めたのが「レッドブル」です。「モンスター」は胸焼けが凄いので飲んでいませんが、レッドブルは飲んだ後のスッキリ感が得られ、運転時は飲むようになっていきました。
常飲を開始して3ヶ月になった頃の健康診断で恐ろしい結果が返ってきました。今回はレッドブルを常飲もしくは過飲による問題点を紹介します。
レッドブルはなぜスッキリするのか?
まずはレッドブルの成分を見てみます。
- カフェイン
- アルギニン
- ビタミンB群
- 砂糖類
この成分の配合の中で「スッキリ」を生み出しているのはカフェインとアルギニンです。
カフェイン単体ではここまで強い清涼感を得られませんが、アルギニンを同時に摂取する事でより強い清涼感が得られるという事です。
対してモンスターの成分は
- カフェイン
- アルギニン
- ビタミンB群
- 砂糖類
- カルニチン
- 高麗人参エキス
- リボース
モンスターの方がより多くの成分が含有されています。摂取されるエネルギー量も多いため、太りやすさで考えれば「モンスター」の方が太りやすいでしょう。
この「高麗人参エキス」がいけないのか、独特の「香料」がいけないのかわかりませんが、妻は「匂いがダメ」と言っています。私もなぜか胸焼けがすごいので飲んでいません。
この匂いやキツイ感じがより「エナジードリンク」と感じさせるのかもしれません!
レッドブルの3つの問題点
大体の検索で見られるのは「カフェイン」と「糖質」です。
ここでは私の体に生じた問題を含め、3つの問題点を紹介します。
カフェインについて
レッドブルの成分に含まれるカフェインとほかの飲料水のカフェインを比較します。
- レッドブル:80mg/250ml
- モンスター:100mg/250ml
- ドリップコーヒー:90mg/250ml
- 紅茶:63mg/250ml
- インスタントコーヒー:79mg/250ml
- ココア:6mg/250ml
- コーラ:28mg/250ml
- 玉露:300mg/250ml
すべて250mlを飲んだ時に摂取されるカフェイン量になります。カフェインを最も多く含む玉露には「タンニン」が含まれているため、カフェインの効果を抑制しているため問題にはなりません。
これら飲料水の中でアルギニンを含むのは清涼飲料水のみなので、飲んだ時にスッキリして飲み続けられるデメリットがあります。
医療の現場で起こる若者のカフェイン中毒
カフェインとはアルカロイドの一種でキサンチン誘導体です。神経中枢に対する興奮作用、強心・利尿作用を有しています。
- 血漿蛋白結合率:25〜36%
- 半減期:成人3〜7時間、小児65〜130時間
- 作用時間:3時間前後
- 代謝か肝臓、排泄は腎臓
- 身体的依存性は低〜中程度
- 精神的依存性は低度
血漿蛋白結合率は透析出来るか否かの指標になります。結合率が高いほど透析での除去が困難になり、カフェインは透析で除去可能な物質となります。よって急性カフェイン中毒で血液透析がしばしば選択されます。
カフェインの使用目的
・医療品
医療では鎮痛補助目的で使用されています。催眠性を緩和する目的での含有はしていませんが、一部総合感冒薬であえて催眠生を促すためにカフェインを含有していないものも市販されています。
・清涼飲料水
保存料と強心・興奮作用のために用いられています。先にも記載しましたが、カフェイン含有量を上げるのみでなく、アルギニンを含有させる事でより強い効果を生み出してくれます。
・パフォーマンス向上
神経覚醒により疲労や眠気を軽減、学習・記憶・反応時間・集中・運動の向上が得られます。摂取後1時間前後で効果が現れ、3時間程度で効果が消失します。
年齢別の摂取制限
カナダの保健省は年齢層で摂取基準を設けています。日本は「完全に規制することは困難」となっているため、妊婦など摂取制限が設けられている群とそれ以外の群でわけられています。
・成人
健康成人の1日摂取量は400mgを超えないようにと推奨。
レッドブルは1日5本以上飲んではいけません!
・小児
健康な児童に対してカフェインは「無害」です。これはカフェイン摂取による医学的根拠がないことに由来します。
カナダでは12歳以下は2.5mg/kgを超えないようにと推奨。韓国では2013年に生徒が学業に対しカフェイン摂取に頼るようになる社会問題に対し生徒・児童のカフェイン含有飲料の購入が禁止された。
20kgで50mgだから、小児はレッドブル1本も飲んではいけません!
・妊婦と母乳育児
安全面を考慮し1日摂取量は妊婦で200mg以下、授乳中で300mg以下を推奨しています。
レッドブル2本は飲んではいけません!
そもそも飲まないと思いますが。
副作用
・身体的影響
常飲すると頭痛が生じやすくなります。また、非喫煙者で摂取量が多いと膀胱癌のリスクが高くなると報告されましたが、IARCでは「発癌性を分類できない」としています。
なお、利尿作用による「脱水」については、現在の研究で通常であれば脱水に至らないとされています。これは一時的に利尿作用で排尿回数が増えますが、24時間尿量に差がなかったと証明されたからです。しかし、運動など脱水状態ではオススメできません。
・依存と耐性
カフェインは容易に耐性が得られるため、常飲するほど効果が得られにくくなります。これが依存につながっていきます。
・離脱症状
カフェイン中断から1日で症状が出現し、2日でピークに達します。そこから10日間は症状が継続すると言われています。症状は
- 頭痛
- 短気
- 集中力欠如
- 疲労感
- 過眠
- 胃や関節痛
が見られます。特に離脱頭痛は1日235mg以上摂取していた群52%が発症したと報告されています。
毎日3本レッドブルを飲んでると、約半数が頭痛を発症しやすくなる可能性があります!
カフェイン中毒の実態
一般成人において1時間以内に6.5mg/kg以上で約50%が、3時間以内に17mg/kg以上で全ての人が急性症状を発症する。また200mg/kg以上の摂取で死に至るケースも報告されている。
特に若者の間でカフェインの錠剤が流行っているようです。この錠剤は簡単に購入でき、1錠でレッドブル2本分〜3本分のカフェインが摂取できます。特に常飲して耐性ができてしまっている若者が錠剤に頼る傾向があり、中には1回摂取量を守らずに服用し中毒になるケースもあるようです。
症状は神経圧迫による視覚・聴覚障害です。
60kgの成人は1時間で390mg、3時間で1020mgの摂取で中毒症状がでます。レッドブル換算で1時間で5本、3時間で13本です!無理ですね!
・治療法
血中のカフェイン濃度を下げるしかありません。重症症状に対し順次対応していきます。血中濃度を下げる方法に血液吸着や血液透析が有効とも報告されています。
・予後
身体的・肉体的疲労感が強く残るため、休養する事が重要とされるようです。
レッドブルでカフェイン中毒になるか?
これは耐性の強さが個々で異なるためならないとは言えませんが、1時間で5本程度を飲むような無謀な事をしない限りレッドブルで中毒にはならないようです。
糖質について
レッドブルには11g/100mlの糖質を含みます。この量は各種ジュースと大差はありません。
飲料水で糖質が特に問題となるのは「ペットボトル症候群」です。
ペットボトル症候群とは?
ケトアシドーシスと呼ばれる急性糖尿病患者の中で、ソフトドリンクを多飲した人が多かったことから「ソフトドリンク・ケトーシス」と分類されるようになりました。これがペットボトル症候群です。
メカニズム
血糖値が上昇すると水分で薄めるために体が口渇の症状を訴えるようになります。これに対しソフトドリンクで口渇を潤そうとすると、更に血糖値が上昇し口渇が出現する悪循環が生じます。
これが続く事で血糖値の急激な上昇が起こり、急性糖尿病が発症します。
口渇をジュースで潤すのはよくない事だね!
治療と症状
これらは全て糖尿病の治療法に準じます。つまり血糖値を下げる対処療法です。
ケトン体が上昇する事で
- 意識レベルの低下
- 口渇と多尿
- 倦怠感
- 腹痛
- 吐き気
の症状が出現します。特に小児に発症しやすいため、夏場の飲料水の選択には注意しましょう。
レッドブルでソフトドリンクケトーシスは発症するか?
レッドブルで口渇を癒すという目的はないと思います。
喉が渇いたから1時間に数本飲むなども考えられないと思います。よって急激な多飲がないかぎりレッドブルではなりにくいと考えられます。
肝機能異常
私の体に生じた異変の話です。
私の職場は年2回の健康診断があります。前回の検診後から常飲し始めたレッドブルにより、今回の健康診断で肝機能の指標になるASTとALTが基準値の2倍になっていました。
レッドブルで肝機能障害はあるのか?
このワードで検索してみると、多くの人に見られる症状のようです。
先に記載しましたが、体の代謝機能の大半は肝臓で行われます。レッドブルに含まれる成分は肝臓で代謝されますが、これが常飲になると負荷になってしまうのです。
今回の上昇の背景に薬の内服などの時期と重なり、より肝臓に負担をかけていたことがあると思いますが、少なくとも常飲は臓器に負担をかける傾向があるようです。
飲むのを止めてからの変化は?
検査結果後からレッドブルを飲まなくなりました。幸い頭痛などの症状もなく離脱できたので安心していました。
その半月後の再検査でASTとALTの結果は基準値まで回復していました!
医師から「サプリなど飲んでいませんでしたか?」と聞かれたため、レッドブルを毎日飲んでいたことを話すと、出来るだけ飲まないよう促されました。
今では手に取ることもありません。
いろいろ焦りましたが、何事もなくて安心しました!
何事もやりすぎは良くないという事
3ヶ月程度の期間、毎日1本飲んでいただけで体には大きな負担がありました。
毎日飲むのは良くないって事ですね。ここぞという時に飲むようにしようと思います。
これら体の変化は人によって異なるため、今回は私の体のみかもしれません。しかし、誰しもに可能性がある事なので、飲む量や頻度は体と相談するようにしましょう。