可能な限り毎晩読み聞かせをしているさゆあとです。
子供に本を読んであげることはメリットづくめですが、何を買ってあげたら良いか迷うことも多いと思います。
以前義実家へ遊びに行った際に古い本の中から長男が偶然持ってきた「おじさんのかさ」という本についての紹介です。
あらすじ
この絵本で登場するおじさんは、傘をこよなく愛する人です。
なぜ傘が大事なのか?これについては一切の情報がないためわかりませんが、まるで杖のような傘はおじさんを象徴するマストアイテムなのです。
この傘は決して傘の役割を担うことはありません。それはおじさんはこの傘をこよなく愛しているからです。雨が降ったら外出しなければ傘は濡れません。突然の雨なら守ればいいのです。なんども言いますが、おじさんは傘を愛しているのです。
しかしある日、2人の子供が雨の中を楽しく帰っていきます。おじさんにとっては衝撃的な瞬間が訪れたのです。
はたして、おじさんは傘を「傘」として使うのか?傘の本来の魅力とは?
長男が好きなセリフ
2人の子供が雨の中を帰って行くシーンがあります。その時に楽しそうに歌うのです。
「あめがふったらポンポロロン」
「あめがふったらピッチャンチャン」
この擬音が何を表すのかがわからないおじさんにとって好奇心をくすぐるシーンとなります。
長男はこのシーンが大好きです。
子供は特に濁音や半濁音が含まれる繰り返しの言葉が好きな傾向にあると思います。今回の本ではこの「ポンポロロン」と「ピッチャンチャン」がひたすらに登場します。
何度か読み聞かせをしていくうちに長男はこのシーンを一緒に歌うようになりました。おかげで寝てくれません。
おじさんのかさの紹介
- 銀河社の創作絵本
- 佐野洋子 作・絵
- 昭和49年7月10日 第1版発行
- 昭和56年7月25日 第19版発行
- 厚生省中央児童福祉審議会推薦図書
- サンケイ児童出版文化賞推薦賞
- 全国学校図書館協議会選定図書
- 日本図書館協会選定図書
- 日本子どもの本研究会選定図書
すごいですね。昭和を代表する絵本です。私なりに感じた紹介をするなら
この絵本に登場するおじさんは偏見を持った人物です。そして視野が狭く頑固者です。そんなおじさんが子どもから小さな発見を受け、凝り固まった偏見がなくなり、新しい出会いに巡り合う物語です。
こう感じました。これは大人が読んでも、ある意味なにか指摘されているかのような感覚になるのではないでしょうか。
偏った見方ではなく、見方を変えれば違う世界があるのだと気付かされるでしょう。
この本は私が生まれる前からたくさんの子どもたちに読まれてきた、とても優れた絵本になります。しかし残念ながらこういった本に出会うのは、言わば「奇跡」なのかもしれません。
たまたま保育園の読み聞かせで出会ったなどではない限り、昔の本に出会うことはなかなかないのではないでしょうか。
今回はなぜか無数の本から長男が持ってきた「奇跡」の絵本の紹介でした。
書店で探しても見つからなかったし、おそらく手に取ることもなかったこの絵本ですが、もし気になったという方は、一度手にとってみてはいかがでしょうか。